FROMFOUNDER

私が鹿児島の関係人口を
増やしたい理由

私が鹿児島の関係人口を増やしたい理由は、生まれ育った大好きな鹿児島が、子や孫、その先の世代にも誇れる魅力ある場所として、これからもあり続けてほしいと思っているからです。

私は24歳まで鹿児島で生まれ、鹿児島で過ごしました。そこから青森県弘前市、静岡県裾野市、神奈川県川崎市を経て、今は東京に住んでいます。鹿児島を離れて16年が経ちました。

鹿児島を離れ、外の地域や人と出会ったからこそ、初めて気づくことができたふるさとの魅力があります。

標準語を知ることで、方言のあたたかさや趣を知りました。日本酒を知ることで、焼酎の味わいに改めて向き合うきっかけをもらいました。他県の都市と鹿児島市が兄弟都市であることを知り、その歴史的な背景から、鹿児島への誇りを持つことができました。そして、「鹿児島が好きになりました」という声を聞くたびに、自分のことのように嬉しくなりました。

外に出たからこそ、外から客観的に見た鹿児島を知ることができた。鹿児島を離れたからこそ、ふるさとの魅力を深く感じることができた。私は、その魅力を鹿児島に残る人たちにも伝えたいと思っています。そして、その魅力を地域の中だけに閉じ込めるのではなく、地域内外に広く循環させていきたいと考えています。

鹿児島には、豊かな自然があり、誇れる食や文化があり、地域に根ざして暮らす魅力的な人たちがいます。私にとって鹿児島は、家族や身近な大切な人たちが暮らす場所であり、自分自身の原点でもあります。

しかし、日本の地方都市が置かれた状況は、決して楽観できるものではありません。人口減少、高齢化、少子化、都市部への人材流出などの影響は、着実に深刻さを増しています。さらに、世界経済の変化の中で、日本全体の国力低下も危惧されるようになり、私たちは知らず知らずのうちに、世界経済の中で相対的な豊かさを失いつつあります。

私は、大好きな鹿児島が、大好きな日本が、このまま少しずつ衰退していくことが、とても悔しいです。

日本には、誇らしい文化があります。人と人とのあたたかなつながりがあります。地域ごとに受け継がれてきた暮らし、知恵、技術、精神性があります。鹿児島にも、まだ十分に知られていない価値がたくさんあります。

だからこそ私は、地域に眠る価値を見つけ、国内外の人たちに届け、そこで生まれた関心、消費、応援、仕事、投資を、地域の未来へ循環させていきたいと考えています。

薩摩BASEが掲げるミッションは、

「眠った価値に光を当てて、地域の未来へ循環させる。」

これは、単に地域の魅力を発信するということではありません。地域の中にある価値を見つけ、言葉にし、体験にし、商品にし、物語にし、国内外の人たちに届けていく。そして、そこで生まれた関わりを、地域の経済や人の豊かさへと還元していくための仕組みづくりです。

関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光で訪れた「交流人口」でもない、特定の地域や人々と中長期的・継続的に多様な関わりを持つ人々のことです。

関係人口が増えることは、単に鹿児島を訪れる人が増えるということではありません。鹿児島の商品を買う人、地域の事業者に仕事を依頼する人、プロジェクトを応援する人、地域の魅力を発信してくれる人が増えるということです。

そうした関わりが増えれば、地域にお金が循環し、仕事が生まれ、挑戦できる人が増え、地域で暮らす人たちの選択肢も広がっていきます。結果として、鹿児島で暮らす人たちの生活を、経済的にも精神的にも少しずつ豊かにしていけると考えています。

現在、鹿児島県の人口は2026年5月時点で約150万人となり、前年同月から約1.6万人減少しています。高齢化率も34%を超え、全国平均を上回っています。人口が減るということは、地域内の消費、担い手、税収、地域活動の基盤が少しずつ細っていくということです。

観光庁の資料では、定住人口1人あたりの年間消費額は約135万円とされています。これを鹿児島県の直近の人口減少幅に当てはめると、年間約214億円規模の消費力が失われている可能性があります。さらに、鹿児島県の観光消費額は令和6年で2,368億円まで回復しているものの、令和元年比ではまだ約488億円少ない状況です。

つまり鹿児島には、人口減少による地域内需要の縮小、外部消費を取り込みきれていないという課題があります。そして、より大きな視点で見れば、日本全体が世界経済の中で相対的な豊かさを維持していくために、地域から海外へ価値を開いていく必要があるという課題もあります。

だからこそ、鹿児島に住んでいる人だけで地域を支えるのではなく、鹿児島の魅力を知り、訪れ、買い、応援し、仕事をつくり、発信してくれる地域外の仲間を増やす必要があります。

関係人口とは、単なる観光客でも移住者でもなく、地域と継続的に関わる人たちです。鹿児島に何度も来る人、特産品を買う人、ふるさと納税をする人、地域プロジェクトを応援する人、現地事業者と仕事をする人、SNSで魅力を広げる人。そして将来的には、海外から鹿児島を訪れる人、鹿児島の商品を買う人、鹿児島の事業者と取引する人、鹿児島の文化や価値を世界に広げてくれる人も含まれます。

そうした一人ひとりの関わりが、鹿児島の外から資本・知恵・仕事・笑顔を運んでくる。

私が目指したいのは、鹿児島に年間100億円の関係人口経済圏をつくることです。10万人が年間10万円ずつ鹿児島に関われば、それだけで100億円の外部資本が地域に循環します。

年間10万円という金額は、決して非現実的な数字ではありません。年に一度鹿児島を訪れる、鹿児島の特産品を買う、ふるさと納税をする、地域プロジェクトを応援する、現地の事業者に仕事を依頼する、イベントや体験に参加する。さらに、海外の人が鹿児島を訪れたり、鹿児島の商品や体験を購入したり、鹿児島の事業者とつながったりすることも、この経済循環の一部になります。

これは単なる観光振興ではありません。鹿児島の外にいる人たちと鹿児島の中にいる人たちが、国内外を問わず継続的につながり、価値を交換し、地域の未来を共につくっていくための経済圏づくりです。

鹿児島で暮らす人たちが、これからも笑って毎日を過ごせるように。鹿児島の魅力が、日本の中だけで埋もれてしまわないように。そして、世界の中で鹿児島の価値が正しく届き、次の世代の豊かさにつながっていくように。

薩摩BASEは、「眠った価値に光を当てて、地域の未来へ循環させる。」というミッションのもと、「鹿児島に年間100億円の関係人口経済圏をつくる。」ことを目指します。

SATSUMA BASE

代表 新地 貴浩